花見の季節にいかが? 花のお酒
1.花見の季節にいかが? 花のお酒
お酒の中には、花を使ったお酒もあるのをご存知でしょうか?
その歴史は古代から現代に至るまであり、健康、癒し、美容へも髙い効果があるとされて重宝されてきました。
本項ではそんな華やかお酒について、少しご紹介していきたいと思います。
2.花を使った様々なお酒
主に、蒸留酒に果実・ハーブ・ナッツなどの香味成分や甘味料などを加えて造られる混成酒の一種「リキュール」の中に、花の香味成分を使ったものが多々あります。
○ロゾリオ
ラテン語で「太陽の雫」を意味する、バラのリキュール。14世紀ヨーロッパでペストが蔓延していた頃、それに効く薬と信じられていたリキュール(当時は薬酒の意味合いが強い)が推奨されていましたが、飲みたがらない女性が多くいました。
そこで、ミケーレという医師がバラの香りを加えて飲みやすくしたのが始まりで、現在のような嗜好品としての蒸留酒ベースのリキュールの起源でもあります(諸説あり)。
○ギュロヴィツァ
バラの国ブルガリアの伝統的な、バラを発酵させたリキュールです。とても香り高く健康的で、「神様の飲み物」と呼ばれている程です。
○忍冬酒
1600年頃に日本で生まれた、代表的な日本産リキュールです。利尿や解熱・解毒作用があるとされるスイカズラを使っており、彼の徳川家康も好んだと有名です。余談ですが、厳密にいうとお屠蘇や梅酒、更にはチューハイもリキュールなのだそうです。
○パルフェ・タムール
ニオイスミレを使った「バイオレットリキュール」で有名なもので、18世紀フランスで生まれたとされています。艶やかな紫色で、その甘く魅惑的な香りから「飲む香水」と謳われ、フランス語で「完全なる愛」を指しています。
この系統で代表的なものとして「バイオレット・フィズ」や「ブルー・ムーン」などがあります。
○クレーム・ド・バイオレット
こちらも19世紀フランスで生まれた有名なバイオレットリキュールの一種で、ニオイスミレの色と香りが特に強く、ハーブ酒としての性格が濃い傾向があります。
3.花の混成酒
リキュールとは違いますが、花の混成酒として有名なものもあります。
○桂花陳酒(けいふぁちんしゅ)
お酒や生薬でも長い歴史をもつ中国において有名なキンモクセイの花びらと蕾を白ワインに漬け込み熟成させた加香ワインです。古くから食用・飲用に使われ、その甘い香りにはリラックス効果があり、また、食欲伝達物質「オレキシン」の発生を抑制し、ダイエット効果があるそうです。世界三大美女・楊貴妃も愛したとされ、元は彼女に捧げるために造られたのが起源だそうです。中国では邪気払いや長寿を願って季節の節目に飲む習慣があり、日本でも中華料理店などにも置かれています。
4.まとめ
紹介したものの他にも、花を用いたお酒は公的に造られたものや個人が好きな花で造ったものまで含めれば数え切れず、それはまさしく花の数だけ存在しています。花見らしく桜のリキュールもありますので、花見のお供などにいかがでしょうか?
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